根深い子供の見た目問題
「目に入れても痛くない」というのは親や祖父母が自分の子供・孫を無条件に愛する様子を示したものです。
他にも「親ばか」や「親の贔屓目」といったような、どんな子供であっても親ならば自然に愛する気持ちが湧き出てくるものだということを伝える言葉はたくさんあります。
しかし世の中全ての親がそうした無条件の無償の愛を感じることができるかというと、決してそうではないのです。
つらい妊娠期と出産を経て、夜泣きなどにも耐えてかいがいしく世話をしてきた我が子であっても、どうしても心の底から愛することができないと悩む人も少なからずいます。
ですが冒頭に説明したように世間一般的なイメージとして「親は子供を愛するのが当然」と思われていることから、自分が子供をどうしても愛することができないという悩みを口にできずにさらに悩むことになります。
自分の子供なのにどうしても愛せないという人によくあるのが「不細工だから」という場合です。
親と子は遺伝子を引き継ぎますので、成長していくにつれ目鼻立ちが親によく似てくるのが当然です。
親の理想通りに両親の良い部分を引き継いでいってくれればよいのですが、そうそう思い通りに行かないのが世の常で、自分がコンプレックスに思っているところにこそよく似ていったりということもあります。
他の同学年の子供はみんな可愛らしいのに、どうしてうちの子だけ不細工なんだろうと考え、次第に子供を恨むようになるケースもあるほどです。
子供を不細工にしているのは自分かも
子供の顔立ちの悪さを気にする親に話を聞いてみると「将来苦労する」「恋人が見つけられない子になる」といった、先回りした心配をしていることがよくあります。
確かに今世の中ではテレビなどメディアで「美」に関する情報が溢れかえっているので、キレイでない子はひどい目に合ってしまうと思い込んでしまうのかもしれません。
ですが人の美醜の基準というのは曖昧なもので、テレビで大人気の美人芸能人でも、メイクを落とせば平凡な顔立ちをしているということは珍しくありません。
生まれながらに美しい顔をしている人も確かにいますが、そうした人はほんの一握りで女性の多くは自分の理想の顔をメイクでつくっています。
親が将来のことを悲観して子供を哀れんでいると、その気持が子供にも伝わり、子供の心の中に「私はブスなんだ」という思い込みをつくってしまうことになります。
「性格ブス」という言葉がありますが、美醜は顔立ちだけでなくその人の生き方や考え方によっても決まるものです。
親がかわいいと思って育ててあげることこそが、その子を本当の意味でキレイにしていくのだと発想を転換してみてください。